モデル3のオーディオは2種類
モデル3にはグレードが3種類あります。値段が高い順に、パフォーマンス、ロングレンジ、スタンダードレンジプラス(2022年はRWDに変更)の3種類です。
パフォーマンスとロングレンジには「プレミアムオーディオ」が標準で装備されています。
プレミアムオーディオはサブウーファーが装備されていて、合計14個のスピーカーがあります。
スタンダードレンジはサブウーファーなど一部スピーカーが装備されていません。また、装備されているスピーカーでも有効化されていないものがあります。
ちなみに、2021年3月に車両を注文したときは、スタンダードレンジ(RWD)にプレミアムオーディオをオプションで付ける、ということはできませんでした。
スタンダードレンジプラスでも悪くないが、、
スタンダードレンジでも8個のスピーカーが有効になっています。
1年乗ってみて、スタンダードレンジの標準オーディオシステムでも十分な音楽の再生能力があると思います。特に、ユーチューブやアマゾンプライムビデオなどを見るには十分だと感じます。
ポイントは、少し音量を大きめにしてみる、ということです。小さい音量だとはっきり聞こえない感じがしますが、音量を上げると意外といい音でなってくれます。
しかし、音楽を聴くという視点で見ると、シンバルなどの高い音が出にくい、空気感までは再生できていないな、と感じます。
測定環境
この感覚が本当なのか、モデル3のオーディオを測定してみることにしました。
空気感まで再生するとなると、10kHz以上の音が正確に再生できる必要があります。
まずはじめに、基準となる環境を用意します。
10kHzから20kHzの音を測定できる環境を作り、それをモデル3に持ち込んで、差を比較することで、改善していく作戦です。
シャープのアンドロイドスマホ(アクオス センス4basic)に周波数ジェネレーターというアプリをインストールします。このアプリで様々な周波数の再生ができます。
測定には周波数掃引を使いました。20Hzから20kHzまで、20秒かけて順番に正弦波を再生していきます。
アクオスの内蔵スピーカーから再生しているので、低音は全然駄目です。しかし、高域の音はなかなかちゃんと再生されるようです。
録音は家にあったiphone5S(古い!)を利用しました。
アプリはFFT Waveです。8kHzから20kHzを測定しました。
アクオスの内蔵マイクで録音すると、10kHz以上がだんだん減衰していたのですが、iphone5Sで録音したところ、上記のように20kHz付近までほぼ一定、50dBの感度がありました。
同じアプリ(FFT Wave)を利用したので、マイク性能の差だと思います。
iphoneは本当にこんなところまでこだわっていて脱帽です。
ちなみに私は12kHzまでしか聞こえませんでした。妻の方は15kHzも聞こえるようで、うるさいといっていました。モスキート音は年齢とともに聞こえなくなるそうですが、本当みたいです。
試験信号の作成
WaveGeneというフリーソフトをパソコンにインストールします。現在は公開が停止していますが、アーカイブがありました。
ずいぶん久しぶりに使います。
20Hzから20kHzまでの正弦波信号を順番に再生していくスイープ信号の音データを作成しました。このデータをUSBメモリに保存します。
モデル3のグローブボックスの中にダッシュカム用のUSBメモリがあるので、これを外して試験信号の入ったUSBメモリを接続します。
モデル3のUSBから作成したスイープ信号を選択して再生します。
モデル3スタンダードレンジの音圧を測定
赤色のラインが測定した音圧を表しています。
iphone5sでモデル3スタンダードレンジの音圧を測定してみました。モデル3のイコライザはフラットです。
150Hzから11kHzくらいまで40dBぐらいで、基本的にフラットな音圧です。
しかし、11kHzから13kHzにかけて20dBまで音圧がさがります。そこから20kHzくらいまでは音圧は20dBとなっています。
イコライザで高音を+8dBにしてみましたが、音圧が上がるのは10kHz以下の周波数で20dB担っている11~20kHzの音圧を上げることはできませんでした。
このあたりがモデル3スタンダードレンジのオーディオが物足りない原因ではないかと想像できます。
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